プライベートお風呂巡り:山口屋左七さん
【思いつきが現実に】
冗談のような話ですが、銭湯などの公衆浴場=パブリックバスは、
誰でも入れるけれど、そうじゃないプライベートバスにははいれませんよね。
という事で、プライベートバス巡りがしたいとツイッターでつぶやいたところ…
なんと5分もかからないうちに、ご連絡をいただきまして企画実現となりました。
【事前情報】
事前にいただいた限りでは、築40年の共同住宅で、
トイレ同室のタイル風呂に、ポリバスというオールドスタイルとの事でした。
すでに、もうその点からして興味を誘うものがありますね。
実際に入らせていただいて、確かめさせていただくべく訪れさせていただきました。
【待ち合わせはてっぺん】
付近の公園で待ち合わせさせていただいている間、遊具で遊んで過ごしていました。
ブランコに一人ゆれるおっさんや、滑り台をすべるおっさんやなどの姿がそこにあり、
通りかかった人たちは、どんな思いで見られていた事か定かではありません。
ロケット型の登る遊具のてっぺんに居ると、園内に入られた方を発見しました。
馬鹿となんとかは高いところに登りたがるとはよく言ったものですが、
馬鹿丸出しところか、ゆゆゆの半分どころか全部は馬鹿でできております。
それまで、特にツイッター上でも会話等もなく、まったく何の接点もなく、
待ち合わせに必要なやり取りをしただけという、見知らぬ二人が出会った瞬間でした。
ゆゆゆ、その後、うまく降りれずあわあわしたのはナイショです。
【いざ、ご自宅へ】
お連れいただいた室内からは、夜景の見えるロケーションとなっており、
夜景大好きなゆゆゆのテンションただ上がりです。
ご親切な事にお風呂にお湯を溜めている間、お茶をお出しいただきまして、
ホッと一息つきました。
それにしても、不思議なものです。
まったく見ず知らずの方のお宅に上がらせていただき、お風呂までいただくなんて。
逆の立場からみたら、どこの馬の骨ともわからないゆゆゆを自宅に招きお風呂に入れる…
改めて、こんな思いつきにのってくださった事に感謝の気持ちでいっぱいとなりました。
【いよいよお風呂タイム】
良い頃合いとなりまして、いよいよお風呂場へ。
緑で統一された空間となっており、入居に際して手入れが行われこの形となったそうです。
ドアを開けて、左側が外壁で換気用の窓、シャワー、湯沸かし装置。
右側はトイレ、洗面台という配置で、最奥に浴槽が配置されています。
レイアウト的には目立ったところはなくても、一点一点みていくとこだわりがあって、
洗面台の横の逆さプッシュ式のハンドソープの出るところ、
内容液の色は、緑色のものに合わせてお使いされていらっしゃるとの事です。
それにしても、個人宅にこのような什器が備わっているのって面白いですね。
実に興味津々です。
タイル目に黒ずみがなく、綺麗にお手入れされてることに感激してお伺いしてみると、
換気がなされているため、特にカビ対策はされていらっしゃらないそうで驚きました。
通気性を確保する事って、大事なのですね。
一通り、ボディソープなどのご案内をいただいて、見過ごせないアイテムが!
なんとお風呂桶に「新生泉」の文字が!
そして、ケロリン桶まで。
どちらもちゃんといただいたものだそうですが、銭湯好きな方のお風呂場には、
こうしたアイテムがあるものだと感心させられました。
そして、いよいよ入浴です。
いざ…!
【お風呂いただきます】
まずは、身体を洗わせていただきます。
実際の銭湯で使われていた桶を使ってとなると、
なぜかはじめて入ったのに、手がいつもの桶のサイズに合っていて、
はじめてなのにはじめてではないような感覚を覚えます。
リンスインシャンプーのメリットが置かれているのも、
銭湯に通うものとしては標準装備で、それもまた既視感を生み出していました。
湯温は43度にご設定されてくださり適温です。
ポリバスの感触は心地よさがあり、足を折り曲げる格好とはなっても、
しっかりと必要にして最小の入浴が行えるようになっていました。
妙に馴染む感覚です。
個人宅で足がのばせない浴槽が主流なのは考え方にもよると思いますが、
一番は省スペース性、そしておそらく世帯収入を圧迫しすぎないよう、
光熱費や資源に配慮して折り曲げに設計が落ち着いたのだろうかと湯船の中で、
物思いをして、しばしくつろぎの時間を過ごさせていただきました。
湯上りにせめてお風呂掃除させていただこうと申し出たところ、洗濯に使うので、
湯は張ったままで良いということで、床掃除だけさせていただきました。
日頃からのお手入れのおかげで、お掃除もすぐに片付いてしましました。
お風呂好きの鏡といえますね。
【湯上りのご馳走】
そして、なんと大変ありがたい事に…その間ご飯をつくってくださっていたのです。
テーブルへチャーハンや餃子、おでんにお漬物などが並べられていって、こんなちゃんとした手料理をいただき、
お話ししながらいただけるなんて、もう本当に世の中にこんな良い人が居るなんて、
心底心に打たれるものがありました。
お話をお伺いさせていただくと、自宅にはさきほど入らせていただいたように、
お風呂はあっても、沸かす手間などがあって、銭湯のほうに足が向かれるそうで、
「東京銭湯お遍路巡礼スタンプノート」はすでに3冊目も中盤だそうです。
こちらのスタンプノートには期限はなく1冊88箇所、東京の浴場組合加入の銭湯で、
押印してもらえる仕組みとなっており、初版が発行された時から集められてるそうで、
すでに足掛け10年ほどになる、銭湯に関してはベテランの方です。
ゆゆゆの知らない銭湯のお話をいくつも聞かせていただく事ができ、
中でもとある社長が、1年で東京中の銭湯巡礼を全軒達成されたお話しが印象的でした。
その当時であれば800軒近くの銭湯が東京にあった事になるようで、
世の中にはいろいろな方がいらっしゃるものだと思い知りました。
ご本人はお祭りがお好きな方だという事なのだそうです。
道理で粋を感じるお方でした。
そして、お話しの中、じつは今夜行きたい銭湯があるという事でして、
せっかくなのでそちらにもお連れいただいてきました。
そのお話しは、また別の機会に。
【最後に】
このような思いつき企画に快く乗ってくださって、本当にありがとうございました。
貴重な経験をさせていただき、大変うれしかったです。
同じ湯につかれば、みんな湯の友ですね。
ありがとうございました。
【募集】
プライベートバス巡りでは、あなたのお宅や普段ははいれないようなお風呂場へ、
ゆゆゆをご招待くださる方を探させていただいております。
もし「ゆゆゆ、ひとっぷろ浴びていけよ」と心意気いただけましたら、
ツイッターへDMなど投げていただければ幸いに存じます。